恋人とのデートがきっかけで初めて美術館を訪れた全盲の白鳥建二さんは、作品を前に語られる言葉を聞きながら「全盲でもアートを見ることはできるのかもしれない」と思うようになった。そして自らあちこちの美術館の門を叩いた白鳥さんは、いつの間にか「自由な会話を使ったアート鑑賞」という独自の鑑賞法を編み出した。それは、期せずして目の見えるひとにとっても驚きと戸惑い、そして喜びを伴う体験であった。「全盲の美術鑑賞者」白鳥建二さんの20年を振り返り、その友人たちや美術館で働く人々が紡ぎ出す豊かな会話を追ったドキュメンタリー。