1974年パリ、カトリック教徒が多数を占め、男性議員ばかりのフランス国会で圧倒的反対意見をはねのけ、困窮状態の妊婦の中絶を合法とする法律を制定したシモーヌ・ヴェイユ。後に女性初の欧州議会議長に選出され、猛反対の中で「女性の権利委員会」の設置を実現。女性だけではなく、移民やエイズ患者、刑務所の囚人など弱き者たちの人権のために闘った。その信念を貫く不屈の意志は、かつてアウシュビッツ収容所に送られ、肉親を失いながらも生き抜いた壮絶な体験に培われたものだった…。フランス人に最も敬愛された女性政治家シモーヌ・ヴェイユの生涯を映画化。『エディット・ピアフ　愛の讃歌』『グレース・オブ・モナコ　公妃の切り札』の世紀の女性を描くオリヴィエ・ダアン監督3部作の最終作。