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5月はゲスト・イベントが盛りだくさん!

2012.5.1

 5月26日から始まる『ガール』を観ました。3年ほど前に原作を読んで、映画の完成を待ち遠しく思っていたのですが、映画は原作を超えました。思わず原作を読み返しましたが、原作の中で一番好きだった「マンション」のエピソードが映画にはなかったものの、他の4つのエピソードは、より深く、より分かりやすくなっています。脚本家の手腕なのか、監督の手腕なのか、チームの手腕なのか、奇跡の傑作です。映画が気に入ったら、ぜひ原作も読んでみてください。女性がマンションを買う、深―い話です。

 『テルマエ・ロマエ』はもうご覧になりましたでしょうか。原作を読んでこれを実写映画にしようと考えたプロデューサーを尊敬します。キャスティングも含め、とんでもなく面白い映画になりました。『テルマエ・ロマエ』と『宇宙兄弟』のどちらが大当たりするか注目していましたが、どちらも想定以上の大ヒットになりました。『宇宙兄弟』は20億円以上、『テルマエ・ロマエ』はひょっとすると40 億円に到達するかもしれない勢いがあります。

 洋画は、相変わらず苦戦が続いています。アカデミー賞作品賞に輝いた『アーティスト』は、去年の『英国王のスピーチ』のような勢いがありません。ライトな映画ファンでも誰もが楽しめる映画なのに、“白黒・サイレント”というだけで「よく分からない」と敬遠されてしまったようで残念です。

 『ファミリー・ツリー』は主演男優賞こそ逃しましたが、脚色賞受賞の見応え十分の優れものです。『ミッドナイト・イン・パリ』は久々のウッディ・アレンで、これは本当に映画ファン向けです。この2本はロードショーとは言えロングランは難しいかもしれませんので、お早めにご覧ください。

 洋画の“復活”はアートな映画だけではなく、『メン・イン・ブラック3』や『アメイジング・スパイダーマン』のような娯楽大作には、50 億円、100 億円という大ヒットを狙ってもらいたいです。邦画も夏以降には『海猿』『踊る大捜査線』という大ヒットの本命が登場します。この4本以外にも、今年は大ヒットが期待できる作品が揃っています。去年は全国の興行収入が 1800 億円と例年よりも落ち込んだのですが、今年はいつもの 2000 億円レベルまで復活してほしいです。去年からの自粛ムードにより、映画の製作が見送られたり、公開規模が縮小されたりすることが続いていましたが、やはり製作・配給側が映画事業への夢を回復しないと、わたしたち地方の映画館では面白い映画を上映できません。ヒット作が続けば、この流れも少しずつ良くなってくると思われます。

 5月は、毎週のようにゲスト・イベントが続きます。第1弾は11日の『KOTOKO』塚本晋也監督です。『鉄男』から、塚本作品はずっと上映し続けてしましたが、監督をお迎えするのは初めてです。

 19日は、『大丈夫』伊勢監督と、映画の主演である河北町出身の小児科医・細谷先生(聖路加国際病院副院長)です。翌週は姉妹作『風のかたち』と伊勢監督最新作『傍』も上映します。伊勢監督には28日にもう一度来ていただけることになりました。

 25日は、ロシア名作映画館シリーズ第37 弾『戦艦ポチョムキン』の上映があり、夜の部では中村唯史先生のお話があります。

 翌26日は、『百合子、ダスヴィダーニャ』浜野佐知監督と、東北公益文科大学教授の伊藤真知子先生との対談トークです。浜野監督をフォーラムにお招きするのは3回目になります。

 翌27日は、『ミッドナイト・イン・パリ』の舞台である1920 年代のパリについて、山形大学の阿部宏慈先生にお話ししていただきます。フォーラムはウッディ・アレンが大好きで、ずっと全作品上映し続けてきましたが、実は今回の『ミッドナイト・イン・パリ』がウッディ・アレン史上最大のヒット作となります。とても楽しい映画です。お楽しみください。

 25日から27日まで3日連続でイベントがあり、常連の方々をお忙しくしてしまいましたが、よろしくお願いします。イベントがほとんどなかった昨年のうっぷんを晴らすかのような充実ぶりです。6月には、若松孝二監督が井浦新さん(ARATA さん)とご一緒に、福島、山形、仙台、盛岡、八戸、那須と6地区のフォーラムを縦断します。二泊三日、東北の旅です。お楽しみに。

2012年5月9日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)

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