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秋が深まるほど、映画の感動も深くなる

2014.10.1

 前回、遅れて書いてから2ヶ月があっという間に過ぎました。

 『柘榴坂の仇討』と『蜩の記』の2つの時代劇が始まり、全国的には『蜩の記』のほうが2倍近いヒットですが、『柘榴坂の仇討』が劇場を絞り込んでくれたおかげで、山形ではどちらも同じくらいの入りです。

 『るろうに剣心』は『伝説の最期編』、『京都大火編』どちらもともに約50億円ずつ、2本で100億円という大成功をおさめる見込みです。

 さて、11月の映画ですが、個性的な映画が並びました。

 平凡な主婦がパートタイムの女子行員になり、巨額横領事件を引き起こす様子を、私たち観客を立ち会わせるかのようにスリリングに活写した『紙の月』。宮澤りえの代表作の誕生です。

 『想いのこし』と『トワイライト ささらさや』はとても不思議な映画です。この秋いちばん泣ける映画かもしれません。

 正統派のおすすめは『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』。グレース・ケリーがモナコの王妃になったことは知っていても、彼女の働きでモナコ公国が生き残ったなんて歴史は、全く知りませんでした。ビックリです。

 『ジャージー・ボーイズ』は'50年代、'60年代の音楽を聞きかじった人なら泣いて喜ぶ傑作です。クリント・イーストウッド監督作品の中でも出色の出来です。おすすめします。

 一見シリアスそうで、実は大コメディというのが、『レッド・ファミリー』。北朝鮮スパイが、南で<完璧な一家>を擬装して暮らしているというシチュエーションからして面白そうでしょ。大いに笑ってください。

 『フューリー』、『インターステラ―』はすごくいいらしいと聞いていますが、まだ観ていません。

 『美女と野獣』は正統派の快作です。『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』は驚くような大スターがさらに勢揃いで楽しめます。『小野寺の弟、小野寺の姉』は笑えるうえに、意外なお得感が味わえる作品です。

 『クローバー』。原作のコミックは読んではいませんが、映画は楽しめました。試写室は若い女性の熱気にあふれ、やがてすすり泣きの波。観客の反応に圧倒されました。

 『神様の言うとおり』、『寄生獣』はまだ試写を観れていません。

 お正月映画を一本観ました。『バンクーバーの朝日』です。戦前のカナダ、バンクーバーに実在した日本人野球チーム「バンクーバー朝日」。そのひたむきなプレーで、日本人ばかりか、カナダの人々にも元気を与えた実話の映画化です。監督は『舟を編む』の石井裕也。静かな抑え目の演出で深い感動を呼びます。けっこう泣かされました。あと2、3回は観たいと思っています。

 『駅馬車』、『静かなる男』のジョン・フォード監督特集は楽しみです。

 『チング 永遠の絆』は前作の前日談。深い映画です。上映はたった一週間ですが、お見逃しなく。

2014年10月17日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)

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