メッセージ from フォーラム
『シンデレラ』『ビリギャル』『駆込み女と駆出し男』
2015.4.1
春の遅い東北も桜が満開になり、『ワイルド・スピード SKY MISSION』『名探偵コナン 業火の向日葵』『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』とゴールデンウィーク映画も始まり、この土日は一日の入場者数が3,000人を超えるサイトも出現して、いよいよ映画シーズンの幕開けです。
来週には『寄生獣 完結編』『龍三と七人の子分たち』、そして、久々に100億円超えが期待されている『シンデレラ』(短編『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』が同時上映)が始まります。
さて、先週『ビリギャル』の試写を観ました。タイトルを聞いただけで内容がわかったような気でいましたが、けっこう泣かされました。人生をあきらめかけていた学年ビリのヤンキーギャルが、どこまでも前向きな教師と出会ったことで人生が変わる映画です。実話ですが、基本的に喜劇です。大いに笑って泣いてお楽しみください。どなたにもおすすめです。
『駆込み女と駆出し男』はマンスリー5月号の表紙の多くを飾るほどのおすすめ映画ですが、郷土の作家井上ひさしの「東慶寺花だより」を映画化したものです。駆け込めば女の方から離縁を云い出せる縁切り寺という"制度"を持っていた日本ってやっぱりすごい。あの時代の日本人って、誰もがすごかったと思うけれど、そんな日本人にはもはや映画や小説の中でしか会えないのかもしれないと思うと残念です。
すでに原作を読んでいた『イニシエーション・ラブ』の試写を観てビックリしました。最後の2行のドンデン返しってこういうことだったのかと、あわてて読み返しました。映画の表現手法ってまだまだ無限だと思い知らされました。この映画は原作を読んでいないほうが、素直に楽しめます。予備知識なしでお楽しみください。
アカデミー賞作品賞・監督賞全4部門に輝いた『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は、やはりすごい評判です。ほぼ全編ワンカットで描かれるこの世界には、スクリーンでないと入り込めないと思います。同時代に生きているすべての映画ファンにおすすめします。
アカデミー賞脚色賞の『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』と、主演男優賞の『博士と彼女のセオリー』も正統派映画ファンへのおすすめ作品です。
意外な拾い物と思えたのが『チャッピー』。一昨年のアカデミー賞作品賞ノミネート『第9地区』の二―ル・ブロムカンプ監督の最新作で、舞台はやはり南アフリカです。人工知能が人間のコントロールを離れて、自分で判断したり、学んで成長したりしたら怖いことになるという警告の映画です。人間の倫理が壊れ始めると、人間社会も壊れ始めるというのは歴史の必然なのかもしれません。
『ソロモンの偽証』2部作、観逃さないでください。『後編・裁判』はゴールデンウィーク中もしっかり上映しますが、『前篇・事件』はぜひお早目に。
2015年4月20日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)
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