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[アカデミー賞]おめでとう!ディカプリオ 作品賞は『スポットライト 世紀のスクープ』

2016.2.1

201602_revenant© 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
『レヴェナント:蘇えりし者』公式サイトはこちら

 第88回米アカデミー賞が今日発表されました。注目の主演男優賞は『レヴェナント:蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオ。『ギルバート・グレイプ』から22年。ついに悲願の受賞を達成しました。その演劇力に注目して応援してきた映画ファンにとっては久々の朗報ではありました。

 監督賞も『レヴェナント:蘇えりし者』のアレハンドロ・G・イニャリトゥが、昨年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に引き続き史上3人目の2年連続の受賞。撮影賞のエマニュエル・ルベツキに至っては『ゼロ・グラビティ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『レヴェナント:蘇えりし者』と史上初の3年連続受賞。ノリにノっているコンビと、ついに悲願を達成したディカプリオ。そして助演男優賞にノミネートされたトム・ハーディががっぷり四つに組んだ『レヴェナント:蘇えりし者』。必見の名作です。

 しかし、作品賞は『スポットライト 世紀のスクープ』に輝きました。『レヴェナント:蘇えりし者』が3賞を独占するのではないかという予想もあったので、これはうれしい波乱です。『スポットライト 世紀のスクープ』は脚本賞も受賞。脚色賞は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』が受賞しました。これらの賞の受賞は、映画の面白さを保証しています。

 主演女優賞が『キャロル』のケイト・ブランシェットにではなく、『ルーム』のブリー・ラーソンに行ったのは意外でした。でも、『ルーム』は衝撃の映画体験をもたらす傑作です。ぜひご覧ください。 助演男優賞は『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランス。助演女優賞は『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデル。どちらも素晴らしい映画で不満はありませんが、賞を逃した『スティーブ・ジョブズ』『キャロル』も素晴らしい映画体験をお約束します。ご注目ください。

 外国語映画賞は『サウルの息子』。まさにいま、フォーラム全地区で絶賛上映中です。受賞にふさわしい素晴らしい作品です。上映は2週間の予定ですので、お見逃しなく。

 こちらも現在再上映中の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(仙台のみ3月5日から)は、最多6部門受賞に輝きました。10部門ノミネートで6部門受賞は立派!美術・技術系の賞を総ナメにした迫力の映像と音響をもう一度お確かめください。

 『ヘイトフル・エイト』で、87才のイタリア映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネが作曲賞を受賞しました。これまで5回ノミネートされましたが、受賞は初。『荒野の用心棒』『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』など、知らない人はいないほどの巨匠ですから、遅すぎた受賞と言えるでしょう。

 3月、4月はアカデミー受賞作、ノミネート作が大挙上映されます。映画ファンにとっては至福の季節です。名画がトレンドなのです。この機会に映画友だちを増やしましょう。よろしくお願いします。

 さて3月は、『男はつらいよ』シリーズ以来20年ぶりとなる、山田洋次監督の喜劇『家族はつらいよ』がおすすめです。"安心して観られる映画"は貴重です。「寅さん」ファンも予想以上にお楽しみいただけると思います。

 『ちはやふる 上の句』は一見、若者映画のように見えますが、実は全世代の方に楽しんでいただける作品になっています。百人一首の奥深さがほの見えて、「百人一首をもっと知りたい」と思わせられた映画でした。この映画をきっかけに百人一首がブームになったりして…。

 5月の上映になりますが、『殿、利息でござる!』は最高です。仙台藩の吉岡宿(現在の宮城県大和町)での実話を、山形県のスタジオセディック庄内オープンセットを中心にロケして作られた映画です。藩から課される重税に苦しんだ宿場の面々が、宿場を救うため、私財を投げ打ち、藩から利息を巻き上げようという奇想天外な策を実行するというお話。実は、原作本より映画のほうが数倍感動しました。ぜひ、お楽しみに。

2016年2月29日
(フォーラムネットワーク 代表 長澤裕二)

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