250年にわたり平和が続いてきた江戸末期。都築杢之進は藩を離れ、江戸近郊の農村に身を寄せてい た。隣の農家の息子・市助に剣の稽古をつけ、自身の腕も鈍らないよう汗を流す毎日。市助の姉・ゆうは開国に揺れるきな臭い時世で、ふたりが中央の戦に出ることを案じつつも、杢之進に思いを募らせていた。そしてある日、ひとりの剣豪との出会いによって事態は思わぬほうへと傾いていく…。戦後70年の『野火』から４年、「一本の刀を過激に見つめるひとりの若い浪人を通して、過去から今という時代に斬り込んでくる作品になった」と語る塚本監督初の時代劇。