2022年9月13日、ひとりの映画監督がこの世を去った。『勝手にしやがれ』で世界を驚愕させて以降、“ヌーヴェル・ヴァーグ” の旗手として作品を発表するごとに注目を浴びると同時に、そんなカテゴライズをあざ笑うかのごとく観る者を挑発し、煙に巻き、固定観念に唾を吐き続けた男。今回、彼の膨大なフィルモグラフィの中から最も充実していた1960年代と1980年代を中心に、滅多にスクリーンでは観ることのできない全9作をセレクト。何が革新だったのか。何が称賛されたのか。何が人々を怒らせたのか。そして彼のいない映画はどうなっていくのか。それでもゴダール＝映画は生き続ける。

『小さな兵隊』
 Le Petit Soldat
 (1960/フランス/1h28)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
撮影：ラウル・クタール
音楽：モーリス・ルルー
出演：ミシェル・シュボール/アンナ・カリーナ/ラズロ・サボ

『カラビニエ』
 Les Carabiniers
 (1963/フランス-イタリア/1h20)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
脚本：ジャン・グリュオー/ロベルト・ロッセリーニ
撮影：ラウル・クタール
音楽：フィリップ・アルチュイ
出演：マリノ・マゼ/アルベール・ジュロス/ジュヌヴィエーヴ・ガレア/カトリーヌ・リベイロ

『はなればなれに』
 Bande à part
 (1964/フランス/1h36)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
撮影：ラウル・クタール
音楽：ミシェル・ルグラン
出演：クロード・ブラッスール/アンナ・カリーナ/サミー・フレイ

『ウイークエンド』
 Week-end
 (1967/フランス-イタリア/1h44)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
撮影：ラウル・クタール
音楽：アントワーヌ・デュアメル
出演：ジャン・ヤンヌ/ミレーユ・ダルク/ジャン＝ピエール・カルフォン

『パッション』
 Passion
 (1982/フランス-ス/1h28)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
撮影：ラウル・クタール
ヴィデオ撮影：ジャン゠ベルナール・ムヌー
出演：イザベル・ユペール/ミシェル・ピコリ/ハンナ・シグラ

『カルメンという名の女』
 Prénom Carmen
 (1983/フランス/1h25/R15+)
監督：ジャン＝リュック・ゴダール
脚本：アンヌ＝マリー・ミエヴィル
撮影：ラウル・クタール/ジャン＝ベルナール・ムヌー
出演：マルーシュカ・デートメルス/ジャック・ボナフェ/ミリアム・ルーセル

『ゴダールのマリア』
 Je vous salue, Marie
 (1985/フランス/1h47/PG12)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
撮影：ジャン＝ベルナール・ムヌー
編集：アンヌ＝マリー・ミエヴィル
出演：ミリアム・ルーセル/ティエリ・ロード/ジュリエット・ビノシュ

『ゴダールの探偵』
 Détective
 (1985/フランス/1h38)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
脚本：アラン・サルド/フィリップ・セトボン/アンヌ＝マリー・ミエヴィル
撮影：ブリュノ・ニュイッテン/ピエール・ノヴィオン/ルイ・ビイ
出演：ジャン゠ピエール・レオ/ジョニー・アリディ/ナタリー・バイ

『ゴダールの決別』
 Hélas pour moi
 (1993/スイス-フランス/1h24)
監督・脚本：ジャン＝リュック・ゴダール
撮影：カロリーヌ・シャンプティエ
出演：ジェラール・ドパルデュー/ロランス・マスリア/ベルナール・ヴェルレー