アキ・カウリスマキ監督特集「カウリスマキの音楽映画」Aki Kaurismäki's Music Films
アキ・カウリスマキ監督特集第3弾のテーマは「音楽」。映画用に劇伴音楽を書き下ろすのではなく、既成曲をシーンに合わせて採用するのがカウリスマキの基本的な音楽スタイル。チャイコフスキーやショスタコーヴィッチなどのクラシック、フィンランド産のロックンロールやタンゴが使われることが多いが、『ラヴィ・ド・ボエーム』『過去のない男』で日本語の歌曲が流れてきたことが印象に残っているファンも多いはず。そしてバンドの生演奏シーンが登場するのもカウリスマキ作品の定番。この特集では、まさに「音楽が主役」なレニングラード・カウボーイズ主演の三作に加え、レニングラード・カウボーイズの原点とも言える集団劇『カラマリ・ユニオン』を上映!
『カラマリ・ユニオン』
Calamari Union
(1985/フィンランド/1h20)
監督・脚本・製作:アキ・カウリスマキ
撮影:ティモ・サルミネン
出演:マッティ・ペロンパー/プンッティ・ヴァルトネン/サッケ・ヤルヴェンパー/ピルッカ=ペッカ・ペテリウス/マト・ヴァルトネン/サカリ・クオスマネン/カリ・ヴァーナネン
15人のフランクと1人のペッカによる集団「カラマリ・ユニオン (イカ墨同盟) 」。“この街には希望がない” と結論づけた彼らは、希望があるはずの街の向こう側「エイラ」を目指す旅に出るが、その途上でひとりまたひとりと脱落していき…。奇想天外なアイデアとヌーヴェルヴァーグ直系の瑞々しさが全篇にほとばしった怪作。無表情のまま次々と繰り出されるギャグに目がくらみそうになるものの、「ここ」に対する諦念と「ここではないどこか」に希望を求めるテーマはのちの労働者三部作と通底している。唐突すぎるライブ演奏シーンと終盤の切ない「スタンド・バイ・ミー」は必見。
『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』
Leningrad Cowboys Go America
(1989/フィンランド-スウェーデン/1h19)
監督・脚本:アキ・カウリスマキ
脚本:サッケ・ヤルヴェンパー/マト・ヴァルトネン
撮影:ティモ・サルミネン
出演:マッティ・ペロンパー/カリ・ヴァーナネン/サッケ・ヤルヴェンパー/サカリ・クオスマネン/ジム・ジャームッシュ
トレードマークは極端なリーゼントヘアにとんがりブーツとサングラス。“世界最悪のロックバンド” ことレニングラード・カウボーイズは、一攫千金を企む極悪マネージャーの導きでロックンロールの聖地アメリカに進出するが…。ナンセンス・コメディ作家としてのカウリスマキの特異な才能が遺憾なく発揮され、観客の熱狂的な支持を受けた (今となっては、裏の) 代表作。1990年当時、カウリスマキが大々的に日本で知られるきっかけともなった。映画を飛び出して世界的に人気を博したように (日本のテレビCMにも出演!) 、カウボーイズの演奏は一見ふざけているようでかなりの本格派。
『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』
Leningrad Cowboys Meet Moses
(1993/フランス-イタリア-スウェーデン-フィンランド/1h34)
監督・脚本・製作:アキ・カウリスマキ
撮影:ティモ・サルミネン
出演:サッケ・ヤルヴェンパー/マト・ヴァルトネン/シル・セッパラ/マッティ・ペロンパー/カリ・ヴァーナネン/アンドレ・ウィルムス
前作から数年、失踪していた極悪マネージャーが「私はモーゼ」と言い張り、またもレニングラード・カウボーイズの前に現れる。堕落しきったバンドの面々をアメリカから故郷のシベリアに連れ帰ってくれるという。かくして再び珍道中の幕が上がり…。旧約聖書の「出エジプト記」を下敷きとしてレニングラード・カウボーイズの帰郷を描き、不条理ギャグから政治的・宗教的含意が見え隠れするカウリスマキ史上最長移動距離のロードムービー。音楽的には、『ラヴィ・ド・ボエーム』『白い花びら』『ル・アーヴルの靴みがき』のアンドレ・ウィルムス扮するCIA捜査官の絶唱にも注目。
『トータル・バラライカ・ショー』
Total Balalaika Show
(1993/フィンランド/0h55)
監督・製作:アキ・カウリスマキ
撮影:ヘイキ・オルタモ
出演:レニングラード・カウボーイズ/アレクサンドロフ・レッド・アーミー・アンサンブル
冷戦時代は敵陣営同士として国境を接していたフィンランドと旧ソ連。冷戦終結後の1993年6月12日、両国を象徴する (?) レニングラード・カウボーイズと旧ソ連退役軍人らによる大合唱団「アレクサンドロフ・レッド・アーミー・アンサンブル」が歴史的なジョイント・コンサートを開催した―。カウリスマキ映画という枠を超え、音楽の力、音楽の奇跡を克明に記録したドキュメンタリー。「ボルガの舟歌」といったロシア民謡と「ハッピー・トゥゲザー」などの欧米ロック・ポップスの名曲が肩を並べたステージ上のパフォーマンスだけでなく、7万人にも及ぶ大観衆の熱狂にも圧倒される。
- 【公開日】
- 2024年2月2日
- 【上映時間】
- 分
- 【監督・脚本】
- アキ・カウリスマキ
- 【撮影】
- ティモ・サルミネン
- 【上映期間】
- 2/2(金)~2/8(木)
- 【公開日】
- 2024年2月2日
- 【上映時間】
- 分
- 【監督・脚本】
- アキ・カウリスマキ
- 【撮影】
- ティモ・サルミネン
- 【上映期間】
- 2/2(金)~2/8(木)