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2017.12.22
2017年の振り返りと、ゴールデン・グローブ賞ノミネート作品
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『君の名は。』『シン・ゴジラ』など邦画が話題を席巻した2016年とは打って変わり、2017年は洋画が存在感を見せつけた1年でした。堂々の興収トップは124億円の『美女と野獣』、そしてアカデミー賞を賑わせた傑作『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』も期待を上回る大ヒット。『怪盗グルー』『シング』など3Dアニメーションも今や続編が待たれる人気キャラとなりました。また、『哭声 コクソン』『新感染』など、久々に刺激的な韓国映画がスマッシュヒットを飛ばし、『ベイビー・ドライバー』『パターソン』『ゲット・アウト』『IT イット』などクセのある作品も、その面白さがSNSで拡散し若い観客も巻き込んで盛り上がりました。
さあ年が明けると、いよいよ賞レースに絡む秀作が続々公開されます。先日発表されたゴールデン・グローブ賞ノミネート作品の中で、最多7部門を獲得したのはギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』(3月1日公開)。米ソ冷戦時代の米国政府極秘研究施設を舞台に、捕らえられた半魚人と口の利けない清掃員との切ない恋を描いた、異色のダークファンタジーです。時代特有の野蛮で不自由な世界の中で、ひっそりと育まれる二人の愛が不思議なまでにロマンチックで、中毒性のある作品です。
『シェイプ・オブ・ウォーター』
監督:ギレルモ・デル・トロ
(C)2017 Twentieth Century Fox
続く6部門ノミネートは、スピルバーグ監督がトム・ハンクスとメリル・ストリープという超大物二人を主演に据えた『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』(3月30日公開)。泥沼化するベトナム戦争に関する最高機密文書の存在がリークされ、それを政府がもみ消そうとする一方で、ワシントン・ポスト紙とNYタイムズ紙が真実を伝えるためにライバル関係を越えて連携するという社会派ドラマです。
『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』
監督:スティーブン・スピルバーグ
(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.
本誌11月号でも紹介した『スリー・ビルボード』(2月1日公開)も主要部門をしっかり押さえての堂々6部門ノミネートです。先日本編を見ましたが、重い題材を扱いながらも、絶妙にデフォルメされた人間描写がブラックな笑いを誘う、俳優たちの見事なアンサンブルに唸りました。
『スリー・ビルボード』
監督:マーティン・マクドナー
(C)2017 Twentieth Century Fox
3年前に公開された白黒インディー映画『フランシス・ハ』で、愛すべきグダグダ女子の主人公を演じたグレタ・ガ―ウィグの監督デビュー作『レディ・バード(原題)』(公開日未定)は、主要4部門にノミネート。監督が自身をモデルに脚本を書いたという、田舎を出て都会の大学に進学したい女子高生をシアーシャ・ローナンが演じて、笑いと共感の嵐が吹き荒れています。
88年のイタリア避暑地を舞台に、17歳の青年と大学院生のひと夏の恋を描く『君の名前で僕を呼んで』(4月公開予定)は作品・主演男優・助演男優の3部門ノミネート。主演のティモシー・シャラメの瑞々しい演技が大絶賛されて、アカデミー賞では最年少主演男優賞の誕生か?との期待が高まっています。昨年のインディーズ作品『ムーンライト』のような圧倒的な存在感を放っています。
作品賞と主演男優賞に期待通りのノミネートを果たした『グレイテスト・ショーマン』(2月16日公開)は、ヒュー・ジャックマンのエンターティナーとしての才能を心ゆくまで堪能できる正統派ミュージカル。個人的にとても楽しみにしている作品ですので、本編を見てから改めてご紹介したいと思います。
『グレイテスト・ショーマン』
監督:マイケル・グレイシー
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(3月公開予定)は、ナチス・ドイツによる侵略の脅威が迫る中、和平か徹底抗戦かの選択を迫られる英国首相チャーチルの就任から4週間の物語です。カメレオン俳優のゲイリー・オールドマンがチャーチル首相になり切って、主演男優賞にノミネート。その特殊メイクを手掛けた日本人の天才アーティスト辻一弘にも注目が集まります。
『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』
監督:ジョー・ライト
(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
そして今回のサプライズは、セクハラ疑惑のケヴィン・スペイシーが出演していることでお蔵入りも懸念された、リドリー・スコット監督による大富豪一族の誘拐劇『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』(初夏公開予定)。わずか1カ月という早業で代役を立てて撮影をし直し、監督賞と主演女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)のみならず、代役のクリストファー・プラマーまでもが助演男優賞にノミネートされて話題になっています。
『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』
監督:リドリー・スコット
(C)2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
映画界を華やかに彩る各賞が、今回もアカデミー賞へ向けてどんなレースを見せてくれるのか楽しみですね!
(フォーラムシネマネットワーク 番組編成 橋浦綾)
*文中の公開日は全国初日です。
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