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2018.7.21
本当に世界は変わったのか?
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
FORUM SELECTION
『話を聞かない男、地図が読めない女』という本がベストセラーになるほど、男女の違いというものは人々の興味を引きつけます。もちろん一概にどちらが優れているとは言えないのですが、物語の舞台となる1973年は残念ながら、政治、ビジネス、スポーツなどあらゆる分野において男性の方が優れている、と真顔で主張する人がいる時代でした。
1973年9月20日、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ(性差を超えた戦い)』と呼ばれた試合で、女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングが元男子チャンピオンのボビー・リッグスと対決することで、女性たちを勇気づけ、男性たちに学びの機会を与えました。二人が対決したとき、ボビーは既に55歳。「女性が男性より優れていると主張したかったら、若い選手と戦うべきだ」と批判する記者に対して、ビリー・ジーンは「そんなことは主張していない、ただ女性に敬意を持ってほしいだけ」と答えます。
当時から40年以上がたった今、果たして世界はどう変わったでしょうか。女性議員の割合はアメリカが19%、日本に至っては9%に留まっています。未だに「政治は男性のもの」と考える人が多い中、そこに切り込む女性議員に対して十分な敬意が払われているでしょうか。女性管理職の割合はアメリカの42%に対して日本はたった11%! ビリー・ジーンが夢見た「男女が互いに敬意を持って共に作る社会」の実現には、まだまだ私たちの努力が足りないようです。
最後に、この映画の素晴らしいところは、敵役であるボビーに複雑なキャラクターがあること。信じられないほど憎たらしいことを言って挑発してきますが、果たして彼が本当に求めているものとは?と興味を持たずにはいられません。男も女も、本当にほしいものはただ一つ。違いはあっても同じ人間です。ぜひご覧ください。
(フォーラムシネマネットワーク番組編成 長澤純)
監督:ヴァレリー・ファリス/ ジョナサン・デイトン
出演:エマ・ストーン/ スティーブ・カレル
2017 / アメリカ/ 2h02
(C)2017 Twentieth Century Fox
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