2014年３月、東京拘置所。死刑囚の袴田巖さんが、突如釈放された。1966年に静岡県で味噌会社専務一家４人が殺害され放火された事件の犯人とされ、無実を訴え続けながら47年７ヶ月もの獄中生活を送ってきた。明日突然、死刑が執行されるかもしれない。そんな恐怖の日々をくぐり抜け、当時30歳の青年は78歳になっていた。弟の無罪を信じともに闘ってきた姉の秀子さんと再会を喜び、さらに続く司法との闘いを覚悟する二人。死刑囚のまま生きることを強いられ、先日の再審公判で無罪判決を勝ち取った袴田さんの闘いを通して、権力によって覆い隠されてきた「死刑」という刑罰の残酷さを白日のもとに晒すドキュメンタリー。